東京で鍵の開けっ放しから招いた被害

その人にとっては当たり前と言える習慣は、そうなかなか抜けるものではありません。
私はこの習慣によって困った出来事に遭遇してしまいました。
母が大病を患い、度重なる手術と長期入院を繰り返していたため、私は小さいなうちから田舎の祖父母の下で暮らしてきました。
田舎ののんびりとした雰囲気、周辺のお宅がとても仲の良いこともあって、色々な人に可愛がってもらいました。
ご近所のお宅に遊びに行くにも、チャイムも鳴らさず挨拶もせずに上がりこむのが当たり前で、迎え入れるお宅も鍵は開けっ放しで、自由な出入りがこの地域では当たり前となっていました。
これが当たり前と、そう子供の頃から認識していたのですが、東京の大学に進学が決まり引っ越しをすると、この認識がいかに恐ろしいものなのかを痛感させられる事となりました。
東京に移り住んで数ヶ月が過ぎた頃、いつものように大学での授業を終え帰宅すると、我が家が恐ろしい惨状となっていたのです。ID-100108299
アパートの一室に住んでいたのですが、扉を開けると同時に目に飛び込んできたのは、荒らされまくった部屋になっていたのです。
気が動転していましたが、すぐに警察に通報、おまわりさんから質問された時に、当たり前のように鍵を閉めていなかったと告げると、「何でそんなことしてるの?」と呆れられてしまいました。
私が子供の頃に当たり前と思っていた開けっ放しは、東京では通用しないのです。
自業自得とおまわりさんに言われ、その後は施錠するようになりましたが、それでもその習慣はなかなか抜けきらず、度々忘れてしまうこともあり、またそれを気にしないでいる自分の危機感の無さにもいまだに苦労しています。